特定の株主からの自己株式の取得

こんにちは。今回は、会社法における特定株主からの自己株式の取得について解説します。


自己株式とは、会社が自分自身の発行する株式を保有することをいいます。自己株式の取得は、会社の資本政策や株主間の紛争解決などに有効な手段として利用されることがありますが、手続きや条件には注意が必要です。


特定株主からの自己株式の取得とは、会社が株主総会の決議に基づいて、特定の株主からその株式を有償で買い取ることをいいます。この場合、他の株主にも同様に買い取りを申し出る権利(売主追加請求権)がありますが、定款でこれを否定することもできます。特定株主からの自己株式の取得は、以下のような手続きを経て行われます。


1. 株主総会の招集通知と売主追加請求権に関する通知
会社は、株主総会の2週間前(規定によっては最短で1週間前)までに、特定株主から自己株式を取得する旨を招集通知として送付するとともに、他の株主にも売主追加請求権を行使することができる旨を通知します。ただし、定款で売主追加請求権を否定している場合は、売主追加請求に関する通知は不要です。


2. 株主総会の決議
会社は、株主総会で特別決議によって、取得する株式の種類・数、対価の内容・総額、取得期間などを決定します。このとき、特定株主は議決権を行使できません。


3. 取締役会の決議
会社は、株主総会の決議に従って、取締役会で具体的な取得条件や申込期日などを決定します。取締役会を置いていない場合には、株主総会の決議で定めることが望ましいと考えられます。


4. 特定株主への通知
会社は、特定株主に対して、取得条件や申込期日などを通知します。


5. 特定株主からの申込み
特定株主は、申込期日までに、会社に対して譲渡しの申込みをします。この申込みは、会社が承諾したものとみなされます。


6. 株式の譲渡と対価の支払い
会社は、申込みをした特定株主からその株式を譲り受けるとともに、対価として金銭等を支払います。


以上が、特定株主からの自己株式の取得についての概要です。自己株式の取得は、財源規制や登記手続きなども関係しますので、詳細は専門家にご相談ください。

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