故人が所有していた不動産を調査する方法~土地・家屋名寄帳を使用する場合~

お亡くなりになった方が所有していた不動産を調べる方法はいくつもありますが、今回は、「名寄帳」というものを使って調査する方法を解説したいと思います。

そもそも「名寄帳」とは何なのでしょうか。

地方税法第380条において、市町村は、固定資産の状況や価格を明らかにするため、固定資産課税台帳を備えなければならないとされています。

「名寄帳」とは、この固定資産課税台帳を所有者別にまとめたものになります。

なお、この「名寄帳」という名称は、作成している市町村で異なることがあり、「土地・家屋名寄帳」であったり「土地・家屋名寄帳兼課税台帳」であったりします。

各市町村に「名寄帳」を発行してもらう場合には、次の点に注意して手続きを進めてください。

 ①共有名義の不動産も必ず記載してもらいます。

 ②免税点未満(課税されないほど安価な不動産)の不動産も必ず記載してもらいます。

なぜなら、①②の不動産については、毎年送られてくる固定資産税納税通知書・課税明細書に記載されていない可能性があるからです。

他に注意点を挙げるならば、公衆用道路等非課税の不動産が「名寄帳」に記載されない市町村もあるので、確認しておいた方が良いと思われます。

また、各市町村ごとで発行されるものなので、その人が所有する全国の不動産が記載されるものではない点にも注意が必要です。

なお、所有する不動産として記載されるものは1月1日が基準日になりますので、亡くなる直近で取得された不動産は記載されていません。

この「名寄帳」を取得することができるのは、原則として本人ですが、今回のように相続が発生した場合の調査として取得したい場合は、相続人であることを戸籍等で証明することにより取得することができます。

各市町村で事務の取扱いが異なりますので、相続調査で「名寄帳」を取得される場合には、あらかじめ各市町村の税務課等担当窓口でご確認されたうえでお手続きください。

我々司法書士が代理で取得する際には、委任状をいただいたうえで、取得することになります。

相続のなかでも大きなウェイトを占める不動産の相続登記に漏れが発生しないためにも、故人が所有していた不動産の調査は色々な角度から行う必要があります。

後から相続登記に漏れが発見され、新たに遺産分割協議を行わなければならない事例も多々あります。

そういった事態にならないためにも、是非「名寄帳」を活用してみてください。

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